フコイダン健康だより6月号: 専門家による夏の安全対策
専門家による夏の安全対策
木々の緑が色濃くなる時期となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今月は【専門家による夏の安全対策】を特集いたしました。是非ご参照ください。
「今年の夏はとても暑い。。化学療法を終えたばかりだけど、海水浴に行ってもいいのだろうか？」
「お腹を壊して食中毒にならないように、誰か食品の適切な保存方法を教えてほしい。」……などなど。
これらは、夏によく遭遇する問題です。 夏の暑さがどんどん増していて、地球温暖化の影響も身近に感じられるようになりました。 健康な人はもちろん、がん患者さんにとっても、暑い夏の日々は大変なものです。 海の雫では、食の安全の専門家である立川大介先生に、食品の安全な取り扱いや、がん患者さんの夏場の注意点についてお話を伺っています。安全で健康的な夏をお過ごしください。
夏の食の安全のための3つのヒント
- すべての食品は十分に加熱すること
- 生と火を通した食品は別々にする
- 食材を家に持ち帰るときのヒント
鶏肉、卵、魚介類など、よく調理された食品を食べることが最も安全です。
肉: 台所用温度計があれば、FDAが推奨する74℃（165°F）以上の内部温度で肉を調理してください。この温度で食べれば安全です。温度計がない場合は、肉の色の変化を観察してください。肉にしっかり火が通れば、中はピンク色や赤色が残らないはずです。最も厚い部分をフォークで刺したときに、透明な肉汁が滲み出てくれば、しっかり焼けているサインです。
魚介類: 魚の身が不透明になり、簡単に骨を取ることができれば食べごろのサインです。アサリやムール貝などの貝類は、殻が自然に開くまで茹でましょう。
調理済みの食品と未調理の食品（生の肉や野菜など）は別々に扱い、保存しましょう。生の食品にはウイルスや細菌が含まれていることが多く、それが増殖して調理済みの食品を汚染する可能性があります。
食料品の買い物をするときは、野菜や果物を手に入れる前に、缶詰や米、麺類を先に買い、最後に肉や乳製品を調達するとよいでしょう。また、新鮮な食材の細菌繁殖を抑えるために、保冷剤と一緒に持ち帰ることをお勧めします。車で帰宅する場合は、食料品を後部座席に入れるのではなく、前部座席の下に収納するようにしましょう。
がん患者さんのための夏の安全対策
- 過度の日焼けを避ける。
- 水分補給を怠らない
- 水泳は慎重に
- ウィッグを着用するときの注意点
- 夏はどのウィッグも暑くてかゆくなることがあります。軽い合成素材でできているものを選びましょう。
- ウィッグをつける前に、コーンスターチのベビーパウダーを頭皮に少量つけ、まんべんなく伸ばすように心がけましょう。コーンスターチは汗や皮脂を効率よく吸収してくれるので、爽やかな気分になれますよ。
- ウィッグの裏地に制汗シールを貼って、頭の汗を吸収させます。1回に2〜3枚を貼り、時々貼り替えてください。
- 暑さ対策（解熱剤）シールは、 熱を効率よく吸収・発散させるのに便利です。日中に出かける前におでこに貼ると、体の熱を下げることができます。
化学療法や電気治療を受けた後のがん患者さんの皮膚は、健康な人に比べて紫外線によるダメージを受けやすく、もろくなっていることがあります。このため、患者さんは日中に外出する際には、帽子やサングラスを着用し、傘を持ち歩き、長袖の服を着ることが推奨されています。特に、脱毛症や頭頸部がんの放射線療法を受けている方は、帽子をかぶることが大切です。
暑いと体内の水分が多く失われるので、脱水症状や熱射病による健康被害を避けるために、水分を多めに摂る必要があります。また、がん患者さんは、治療による嘔吐や下痢などの副作用で脱水症状を起こしやすくなります。十分な量の水を飲むこと、ジューシーな果物を食べること、緑茶を飲むことなど、水分補給を忘れないようにしましょう。
治療中のがん患者さんは、免疫力が低下しているため、水中の細菌に感染しやすくなっています。
また、放射線治療を受けている患者さんは、皮膚が弱いため、水の中の塩素で炎症を起こしやすくなっています。
どうしても泳ぎたい場合は、主治医に相談し、安全な方法であることを確認してください。
以上のヒントが、皆様の生活のお役に立てば幸いです。 日差しの強い夏を楽しむために、涼しく、日差しから身を守り、十分な水分補給をすることを忘れないようにしましょう。 皆様が健康で幸せな夏を過ごせますように。
